コロナ渦におけるプロスポーツ観戦

インターンブログ

1.プロスポーツの現在

新型コロナウイルスが世界各国で猛威を振るっている中、例に漏れず、日本のプロスポーツ業界も大きな打撃を受けています。東京オリンピック・パラリンピックが一年延期になったことをはじめ、様々なスポーツイベントが軒並み中止あるいは延期に追い込まれています。関西大学の宮本教授は、2020年の上半期に日本のプロスポーツ業界が失う経済的損失は、約1,272億円にのぼることを明らかにしました(2020年5月13日付 日本経済新聞夕刊)。一方、プロ野球が3ヶ月遅れで開幕し、Jリーグも再開するなど、すでに動き出しているプロスポーツも見受けられます。しかし、当初は無観客試合を余儀なくされ、現在でも観客数は5000人に限定されているなど、この先もしばらくは厳しい状況が続く見込みです。そこで今回は、「コロナ禍におけるプロスポーツ観戦」について記していこうと思います。o.

2. 新しいリモート観戦・応援システムの登場

当面はスタジアムを満員にすることが難しいと予想されることから、自宅にてテレビやOTTサービスを通じてスポーツ観戦をする機会が大幅に増加していると考えられます。それに伴い、様々なリモート観戦・応援システムが普及しています。プロ野球やJリーグでも数多くのチームが導入した代表的なサービスとしては、ヤマハが開発した「Remote Cheerer powered by SoundUD」が挙げられます。これは、スマートフォンの専用アプリで視聴者が「歓声」や「拍手」のボタンを押すと、自分の声や拍手音が、実際に試合が行われている競技場のスピーカーから出る仕組みとなっています。ファンやサポーターが遠隔地からスタジアムにリアルタイムで声援を届けることができ、国内外からの問い合わせが殺到しているサービスです。

参考:https://soundud.org/serviceinfo/products08/

 

また、次世代の観戦スタイルとして、5G(第5世代移動通信システム)を活用したVR観戦への期待が高まっています。まだ実証段階のものが多いですが、5GによるVR観戦が実現した暁には、より臨場感溢れる観戦が可能になることはもちろん、自由に複数の視点を切り替えることができる「マルチアングル視聴」や、観戦者同士の「アバターを介したコミュニケーション」が可能になるでしょう。遠隔地にいる友人と一緒にVR空間でスポーツ観戦を楽しむことができる日も、そう遠くないかもしれません。

参考:https://bit.ly/2FG2hiA

3.ファンがチームや選手を「ギフティング」で支える

入場料やスタジアムにおけるグッズや飲食の物販収入が激減している中、収入源確保のため、いくつかのプロスポーツチームが積極的に導入しているのが、オンラインでの「ギフティングサービス」です。ギフティングとは、サービス内でポイントを購入し、感動したプレーやお気に入りのチーム・選手に「投げ銭」をすることを指します。ファンの気持ちをギフトという形として表すことができるだけでなく、そのポイントがチームや選手の収益となります。さらに、ギフティングに参加したファンには対価として選手のサイン付き壁紙が提供されているなど、双方向の交流が生まれる場として注目を集めています。

参考:https://www.fnn.jp/articles/-/58565

4.今後の展望

このように、今回の新型コロナウイルスの流行を皮切りに、スポーツ観戦のデジタルシフトが急速に進んでいることが分かります。今後も三密を避けることがマストである以上、スタジアムにおけるスポーツ観戦は変わらざるを得ないと考えられます。テクノロジーの進化により自分だけの観戦体験を得ることが可能になるかもしれません。家にいてじっとしながらも、好きな選手のプレーをリアルタイムで追いかける3D映像を観ることができるとしたら、どんなにワクワクするでしょう。サッカー好きの私からすると夢のような話で、スポーツ×テクノロジーがもたらす未来に期待せずにはいられません。

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